家電製品のOEM生産における注意ポイント、ACとDCについて中国仕入れのさくら代行が詳しく解説
OEM、つまり「Original Equipment Manufacturer」は、製造業界における一つのキーワードとして長年にわたり注目されています。
このシステムでは、製品のデザインから生産に至るまでのプロセスを、既に設備と労働力を備えた外部の企業に委託することができます。
最大の利点は、ブランド側が独自の製造施設を用意する必要がなく、結果として製品をより低コストで市場に投入できることにあります。
OEMは特に輸入ビジネスにおいて戦略的役割を果たし、市場での競争力を高めるために重要とされています。
詳細については、「輸入ビジネスでの成功への道!市場で勝つためのOEMの必要性とその戦略的利点とは?」という記事が、基本的な概念から戦略的利点に至るまでの、幅広い情報を確認できます
本記事では、このようなOEMシステムの中でも特に家電製品の生産に焦点を当て、そのプロセスの大まかな流れと注意点について詳細に説明します。
家電製品OEMのプロセスは、大きく分けて以下のステップに分類さます。
①商品の選定、市場のリサーチ
②工場の選定、リサーチ
③打ち合わせ
④契約・発注
⑤、サンプル生産・確認
⑥、製造
⑦、検品・出荷
さらに、家電製品を扱う上で避けて通れないのが、電気のAC(交流)とDC(直流)の違いについてしっかり理解しておくことです。
多くの電化製品は、これら二つの電力形式を用いて動作します。
たとえば、ACアダプターが付属するAV機器やDCモーターを使用する扇風機など、日常生活で頻繁に接する機器にこれらの表記を見ることがあります。
ACとDCの基本的な違いやそれぞれの特性を理解することは、家電製品の設計、生産、そして利用において非常に重要です。
家電製品OEMの流れを把握し、製品の企画から市場投入までのプロセスにおいて発生しうる障害を事前に回避するために、この記事を役立てていただければ幸いです。
目 次
1.ACとDCの意味は?何の略?
AC(Alternating Current)とは交流のことで、その向きが周期的に変わる電流を指します。
この性質によって、交流は電力を長距離にわたって効率的に送電するのに適しています。
交流の向きは1秒間に数回変わり、この変化の速度は「周波数」と呼ばれ、ヘルツ(Hz)で測定されます。
対照的に、DC(Direct Current)は直流を意味し、電流の流れが一定の向きを保つことを特徴としています。
直流は乾電池やバッテリーから供給され、電流が一方向にのみ流れるため、プラス極とマイナス極が存在します。
これは、乾電池をデバイスにセットする際にプラスとマイナスの極性を正しく合わせる必要がある理由でもあります。
私たちの日常生活では、これら二つの電流を頻繁に使用しています。
家庭用のコンセントからはACが供給され、多くの家電製品を動かしています。
一方で、スマートフォンやノートパソコンなどの充電式デバイスは、ACをDCに変換するアダプターを介して充電されます。
コンセントを使う際にはプラスとマイナスの極性を気にする必要がないのに対し、乾電池を使用する場合は極性を確認する必要があります。
この違いはACとDCの根本的な特性に由来しており、電気を安全にかつ効果的に使用する上で基本的な知識となります。
日常的に接するこれらの電流の背景にある科学を理解することで、電気製品のより賢い使用やトラブルシューティングができます。
2.なぜ家庭用のコンセントに届くのは交流なのか
家庭で使用される電化製品の多くは、実は直流で動いています。
電子デバイスの内部回路が直流によって駆動されるためです。
例えば、パソコン、スマートフォン、LED照明などは、内部で直流電力を用いています。
しかし、家庭への電力供給は交流で行われています。
その理由には、電力の送電過程での効率性が大きく関わっています。
電力を発電所から消費者の家庭に送る際には、長距離を経由するため、送電線の抵抗により電力の損失が生じます。
この損失を最小限に抑えるために、電力は非常に高い電圧で送られます。
一般的には15万Vから50万Vの超高圧で送電されることが多いです。
しかし、この高電圧は家庭で直接使用するには適さないため、変電所や電柱に設置された変圧器で適切な電圧に変換されます。
この過程で発生する電力のロスを最小限に抑える上で、交流が直流よりも有利な点があります。
交流は電圧の変換が簡単であり、高電圧から低電圧へ、またその逆への変換が可能で、この変換過程での電力の損失を相対的に小さく保つことができます。
直流の場合、電圧を変換する際により大きな損失が生じるため、長距離の送電には不向きです。
このため、家庭に届くまでの送電では交流が利用され、家庭内での使用に適した電圧に変換された後、電化製品のACアダプターや内部回路で再度直流に変換されて使用されます。
この二重の変換プロセスには確かにロスが伴いますが、全体として電力の送電過程での効率と安全性を考慮すると、現在のシステムが最も合理的な解決策となっています。
その結果、家庭での電力供給には交流が用いられているのです。
3.交流のメリットとデメリットは?
1.メリット
交流(AC)の利用にはいくつかの顕著なメリットがありますが、その中でも特に重要なのが、変圧が簡単であることです。
発電所から送電された高電圧の電気を、使用場所に応じて必要な電圧に簡単に調整することができます。
例えば、発電所から送られてくる電気は非常に高い電圧で送電されますが、この高電圧は住宅に近づくにつれて、家庭内で安全に使用できる適切なレベルに下げられます。
この変圧の容易さは、送電線路や変電所などの設備コストを大幅に削減し、電力供給を効率的うことにつながります。
また、交流のもう一つのメリットは、事故時の遮断がしやすいことです。
交流では電圧が周期的にプラスとマイナスを繰り返し、その過程で瞬間的に電圧と電流がゼロになるタイミングがあります。
このゼロ点を利用して電気を遮断することで、事故が発生した際に電気系統へのダメージを最小限に抑えることができます。
この機能は、電力システムの安全性を高める上で非常に重要です。
2.デメリット
交流を使用する上でのデメリットとして、目標とする電圧を確保するためには、平均値よりも高い瞬間電圧(ピーク電圧)に耐えられる絶縁性能が必要になります。
交流では電圧が時間とともに変動するため、100Vの実効値を得るには約141V(√2倍)のピーク電圧が必要になります。
このため、交流を利用する電化製品や設備には、より高い絶縁性能が求められます。
また、電圧と電流がゼロになる瞬間は理論上電力が発生していないことになるため、実効電圧を確保するためには、これをカバーするために目標よりも高い電圧をかける必要があります。
4. 直流のメリットとデメリットは?
1.メリット
直流(DC)の使用にはいくつかのメリットがありますが、その中でも特に重要な点は送電線の構成が単純であり、設計にかかる負担が少ないことです。
直流では、プラスとマイナスの二本の電線だけで、さまざまな電圧帯域の電力を送電することができます。
この単純さは、送電システムの設計と構築を容易にし、特に電力の局所的な配布や小規模なシステムにおいて有利に働きます。
直流送電では、交流送電に比べて効率が良くないという点がありますが、これは直流の特性に基づくもので、交流の場合はより複雑な設計が採用されることが多いです。
また、直流では力率を考慮する必要がないため、消費電力に対する有効電力の割合について心配することなく、同じケーブルでより大きな電力を扱うことができるメリットがあります。
力率とは、送電系統において実際に仕事をする電力と全体の電力との比率を指し、交流系統ではこの力率が重要となります。直流送電では、電力の変換や輸送において力率の概念が不要であるため、より効率的な電力輸送ができるのです。
2.デメリット
電圧の変更が容易でないことです。
直流はその性質上、電流の向きと電圧が一定であるため、電圧を変更するためには追加の装置が必要になります。
これは、特に長距離送電や電力の調整において不便でしょう。
また、直流は事故時の遮断が交流よりも難しいという問題があります。
交流では電圧が周期的にゼロになる瞬間が存在し、このタイミングで遮断が容易になりますが、直流ではそのような瞬間が存在しないため、遮断装置がより複雑で高価になる傾向があります。
さらに、直流を生み出す電動機やその他の装置は、接点部品が多用されることが多く、これらは汚損や摩耗により故障しやすいです。
その結果、メンテナンスの頻度が増加し、コストが高くなるというデメリットがあります。
5.まとめ
いかがでしたか?
交流が送電に適している理由、直流が特定の電子機器に適している理由を理解することは、OEM生産を成功させる上での重要なポイントです。
また、電力供給の基本原理を把握することで、生産効率の向上、コスト削減、そして安全な製品の開発ができます。
さくら代行は、事業者様がこれらの基本的な電気の概念を理解し、それを生産計画に活かすことで、より競争力のある製品を市場に送り出せるようサポートしていきたいと考えています。
家電製品をOEM生産する際には、この記事で触れた電流の種類とその特性、送電の方式の理解が不可欠です。
最適な製品を効率良く生産し、市場のニーズに応えるために、これらの知識をぜひ活用してください。
本記事の内容はさくら代行が独自に調べて作成したものです。
必ずしも正しいとは限りません。
ご参考になれば幸いです。
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